【新スペース紹介】「仮面屋おもて」がキラキラ橘商店街にオープン

京島のキラキラ橘商店街は「墨東まち見世」にとって縁の深い商店街です。初年度から様々な企画でお世話になっており、2012年度ではインフォメーションセンターとしての事務局スペースを構えさせていただきました。(初年度、その場所では岸井大輔さんのプロジェクトが行われ、商店街では大巻伸嗣さんの展示も行われました。)現在、そのインフォメーションセンターとして借りていた場所はブティックが入店しています。

さて、キラキラ橘商店街は毎週土曜日に「キューピッドガールズ」によるパフォーマンスが行われたり、日曜朝には朝市、日本全国の中学生が課外授業として訪れるなど、商店街を中心とした地域の魅力発信がとても盛んです。そんな商店街に、最近なにやら不思議な店構えの店舗が入店しました。

既に4月28日オープンしておりますが、その数日前、関係者への内覧会におじゃましましたのでその写真をご紹介します。まずはずらりと見てください。

ところ狭しと仮面の並ぶ1階スペース

海外の作家さんの仮面も並んでいました

 ひ!一つ目!

 通りの向こう側からも見えるようになっていますね

このお店は「仮面屋おもて」という「仮面」のお店です。揃えているのは、日本国内外を問わず様々な仮面作家さんの作品です。内覧会は夜に行われました。商店街を通り過ぎる人は帰宅途中、もしくはこれから飲みにでも出かける人でしょうか。色々な背景でその前を通るほぼ全ての人が足を止めてその店を眺めていました。無理もありません。見たこともない不思議で美しく面白く想像力をかきたてる仮面が展示されているのですから。

何屋さんか一目瞭然、でも何をするのか入ってみないとわからない

仮面の使われるシチュエーションは私たちが想像している以上にありました。例えばミュージックビデオの中の演出としてよく使われていますよね。その他、ファッションショーの一部として、映画、演劇の道具として。様々な場面で仮面は使われていることに気付きます。店主の大川原さんは、こうした仮面の需要に対してこたえられる仮面作家さんの紹介を行っているそう。つまり仮面のことならなんでもござれ、彼に情報が集約しているんですね。

これからは販売だけではなく二階スペースでのワークショップなど、様々な事業展開も考えているそうです。演劇では仮面を意味する「ペルソナ」は、ただ衣装を着たり仮面を被るという意味だけでなく、何か別の人格(だけでなくその人がもつ環境や歴史的背景も?)を憑依させることを意味するとか。お祭りの縁日を賑やかすお面だって、ただお面を被って楽しかった‥だけでなく仮面ライダーやミンキーモモになりきった自分を思い出します。そういえば、お面がテーブルにポツンと置いてあると、勝手に動き出すんじゃないかと怖かったのも思い出しました。仮面を被って霊的な存在に近づこうとする宗教的な儀式や、神をその土地の権力者が演じる能、仮面舞踏会、などなど仮面をきっかけに想像できる世界は無限にあることに気付きます。

2階スペースは案外広く、色々できそうな予感がします

そんな仮面のお店が墨田区の商店街にある。さあこれから何が起こるのでしょうか。楽しみしかありません。

カウンターには仮面に関する書籍も

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仮面屋おもて

〒131-0046 墨田区京島3-20-5

URL:kamenyaomote.com

Twitter: maskshopOmote

営業時間:12:00~19:00(ご連絡いただければ延長営業いたします)

【レポート】 ハトウィン写真展

鳩の街通り商店街あをば荘というオルタナティブスペースが企画した展示が行われました。商店街で10月に行われたイベントの報告と商店街アーカイブプロジェクトのキックオフを兼ねたとても大事な展示でした。専門の知識/経験を携えた人に依頼する必要があり、「複数の企画者が美術や演劇、農業などそれぞれの関心に基づき、気軽に企画・発表を行なってい」るあをば荘とならばやりたいことができるんじゃないか、という期待から商店街があをば荘に依頼し、実現した企画です。その期待を大幅に上回る素晴らしい展示になりました。

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依頼から展示まで30日程度という、びっくりするくらいに短い準備期間でしたが…写真の研究をしていた美術館の学芸員、美術コーディネートしているアーティスト、各種展示の現場を経験している現在大学院生、という最強の布陣であっという間に展示のコンセプト立案からプレゼン、準備から実施まで駆け抜けました。

会場は2つ。

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1つ目の会場は入り口近くの空き店舗です。受付では展示の趣旨を説明したり、フォトの街通り商店街として過去の写真を集めていることを伝えます。プロジェクターの画像がぼんやりと映っている白い幕をくぐって奥に進むと、第2回ハトウィンのイベント写真と古い鳩の街の写真が展示されています。

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2つ目の会場は飲食店2階にある元住居を活用したスペース。ハトウィン写真館の写真と鳩の街通り商店街の過去の写真をいくつかを展示していました。普段は入ることができない場所を活かしたインスタレーションはさすが。玄関をあけて階段をあがると、鳩の街通り商店街の始まりから現在までの出来事が年代とともに窓や壁に書き出されていることに気付きます。そして展示されている写真は数ヶ月前の過去、数年前の過去、数十年前の過去。様々な過去が整理/混在、つまり商店街の「過去」と出会うわけです。鳩の街はその長い歴史のせいか、特定の時代のイメージばかりを持たれがちです。しかしそれ以外にも様々な(生々しい)過去があるのだと気付かされます。階段をおりて扉をあけようとすると出会うテキストににやりとしてしまいます。

展示にあたって鳩の街入り口にあるおそば屋さん玉屋さんや、立花美容室の松橋さん、花よしの内田さん、鳩組の林さん他たくさんの方に資料ご提供をいただきました。それぞれの持つ鳩の街の過去は違っていて、何だろう、やはりレトロというわかりやすい一言ではくくれません。複雑という言葉は適していないんですよね。絡まっているのではなくて、紙が何枚も重なっているようなある意味シンプルな構造。ただ今回垣間見た一部の過去からわかるのは、商店街のアーカイブは一筋縄ではいかないということです。

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全てをアーカイブすることはできません。ただ集められたいくつかの過去から、ぼんやりと全体の豊かさを想像することはできます。同時にこれから商店街という場所が持つ/生みだすであろう風景や機能といった未来を想像することだって可能です。何か前に向かう原動力/エネルギーの種としてのアーカイブが動きだすのではないか。そう思わせてくれる展示でした。

あをば荘の皆さま、本当にありがとうございました!!

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ハトウィン写真展:ある日の鳩の街、わたしとオバケ

日時:
2015年12月19日(土)、20日(土)
11:00〜日没まで

場所:
鳩の街通り商店街
旧たじま倉庫/墨田区向島5-50-11
天ぷらハナヨシ2階/墨田区東向島1-24-19 2階

主催:
鳩の街通り商店街振興組合
http://hatonomachi-doori.com/
http://blog.livedoor.jp/hato2618/
https://www.facebook.com/hatonomachi

企画:
あをば荘

【レポート】 ボクらのちゃぶ台 第19回 at鳩の街通り商店街

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ゴールデンウィークが終わり、ほんの少しの日常が戻り始めた東京の週末5月9日。この日は隅田川の向こう側では神田祭が開催されました。祭り好きな老若男女が声と呼吸を揃えて神輿をそろえて汗ばむ昼下がり。隅田川のこちら側、墨田区は向島にある商店街のとある場所に老若男女が集まっていました。

鳩の街通り商店街の中にある空き店舗。コンクリートがむき出しの店舗内には、テーブルが二つ。その他には、椅子や何やら札がかけられている紐やラック。札に書かれているのは「おもちゃ屋さん」「老人ホーム」「発電所」や「顔はめ屋」などなど。これは空き店舗の活用方法のアイデアです。「ボクらのちゃぶ台」とタイトルのあるこのイベントは、墨田区各所で開催されているブレストイベントです。お題は毎回違いますが、場所にちなんだものがほとんど。昨年の冬は、タワーマンション前で行われている青空市のど真ん中にコタツを置いて開催されたこともあります。人だかりに引き寄せられ集まった人々は、実現可能性を考えずそれが面白いかどうかだけを考えてアイデアを振り絞ります。そして出され札に書かれたアイデアは紐に吊るされ陳列されます。21時まで続いたこのイベントで90ものアイデアが集まりました。

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人は何かアイデアを口にする時、その実現可能性を意識します。自分が関わっているイベントや事業、所属している団体であればさらに「責任」という言葉が頭をよぎります。「思いついたアイデアを口にしたら、それを実行する責任を負うことにならないか」と。このボクらのちゃぶ台では実現可能性を問題にしません。出されたアイデアは誰のものでもありません。フジシロさんが考えた参加の心得の最後10番目には「十、考えたことを評価すべし」という一言があります。何よりもまず考えること、そして口にすること、そのことを楽しむためのイベントが「ボクらのちゃぶ台」です。

空き店舗の活用方法を商店街の人間が考えても、決まったアイデアしか生まれません。もちろん、現実に根ざした具体的かつ確かに必要な活用方法が生まれるでしょう。しかしそうした現実路線で埋まらない空き店舗をどうするかが課題なのです。商店街の外の人が考えた活用方法は、周辺で生活したり少しはなれところにいる人が商店街に求める用途です。「ボクらのちゃぶ台」はそうした外の人の意見をどんどん取り入れるためのきっかけとして開催されました。

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今回集まった90のアイデアは、鳩の街通り商店街の空き店舗活性事業ミーティングのテーブルに出され、議論にエネルギーを注入します。予定では2016年3月までに新しいお店が誕生します。 ※現在、古書肆 右左見堂さんが入居しております!

イベントに参加してくださった皆さま、通りがかりにふらりと参加してくださった近隣の皆さま、イベントを主催してくださったフジシロさん、イベントを手伝ってくれた一寺小の子どもたち、場所を貸していただいた大家さんや不動産屋さん、本当にありがとうございました!

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【レポート】鳩の街100YENチャレンジショップ

鳩の街100YENチャレンジショップ。盛りだくさんのイベントで、お腹いっぱいに。こすみ図書ではコーヒーとともに、昆野さんが思い出の絵を描いてくれる。ちょうど今日、17年前の10月25日(土)、現代美術製作所がグランドオープニングだったのを思い出して、その時のエピソードを描いてもらった。

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