いかにしてレンズを通った光が図像を結ぶのか、写真ができあがるのか、その過程を知ることができ、さらに手作りの写真を楽しむことができるワークショップに先日参加してまいりましたのでご紹介します。
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これが今回のワークショップで使ったカメラです。この箱がカメラです。木製のこの箱で、撮影から現像、プリント全てを行うことができます。
アフガニスタンに起源のあるこのアフガンボックスカメラは、政情の変化など様々な外的要因から発展/衰退しました。今では実際に使われることはほとんどなく、写真屋であることを示す看板などに使われているとか。
中東における写真文化を語る重要な歴史であるこのアフガンボックスカメラを、調査研究しアーカイブしているプロジェクトがあります。オーストラリアのアーティストLukas Birkとアイルランドの人類学者Sean Foleyがはじめたこのプロジェクトはネット上にかなり豊富な情報を蓄積しています。このアフガンボックスカメラに触れたBackyard Projectのメンバーが、今回のワークショップを企画しました。
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写真のワークショップでの写真が逆光で見えないっていうね・・・
ワークショップはAfgan Box Camera Projectの紹介、アフガニスタン政情変化の話、この箱がどうして撮影/現像/プリントまでできるのかの機構の話、など丁寧なレクチャーから始まります。見方によっては不恰好で大きくて大げさなデザインが、実は撮影に必要な最低限のレベルにまで洗練されていたんだと知ることができました。(そう考えると、コンパクトカメラに使われている技術がどれだけ精巧なのか、「写るんです」が実現していることがどれだけ奇跡的なのか…)
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さて、撮影方法をプロジェクターで学んだあと、隅田公園で撮影です。講師のお二人が実際に撮影して見せます。ピントを合わせて、印画紙を置いて、撮影して、手をつっこんで現像液につけて、覗き穴から様子を伺って定着液につけて、まずネガができあがります。次に、ネガを箱の前にセットして撮影。ピントを合わせて~(以下、上記と同じなので省略)さあ完成!
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影になってるけど上にあるのがネガ、下にあるのがポジ
作業工程が多いし、手探りで薬液につけるなど技術も必要そう。私にできるかしら。と不安になってしまいましたが、結果から申し上げるとビギナーズラックってやつ、なんとか綺麗に撮影ができました。
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撮影した写真をこうやってぶらさげるとオシャレで可愛い
この日の隅田公園はゴールデンウィークということもあって、老若男女国籍様々な人がのんびりと過ごされていました。池のほとりで水遊びをする子ども。ベンチに座って昼寝をするおっちゃん。タバコを吸って時間をつぶすおっちゃん。カメラを携えて神社に興奮する旅行者。結婚式用の撮影を行う新婚さん。皆、大掛かりで見慣れないアフガンボックスカメラが気になってちらちらと目をやります。
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ノルウェーの写真家さんはかなり興味深そうに見てくれました
話しかけてきた人には説明。子どもにはボックスの中を見せ、ノリのいいおっちゃん(英語が上手な方で、途中話しかけてきたイスラエル人の旅行者とも気軽に話をしていました。後々わかったのですが、技術者の方で、ヨーロッパによく仕事で行っていたとのこと。車のキーをくるくるさせながら去っていった後姿が忘れられません。最初はのんびりタバコを吸っているだけのおっちゃんにしか見えなかった。。。)やノルウェーの写真家さん(鶯谷のゲストハウスに泊まって、ご自身のプロジェクトのための撮影をされているとか。無作為に様々なイメージを撮影しながら国を転々とし、それらイメージのsimilarityを提示しているそうです。カメラを持っていたから旅行者かなあと思ったら、がっつり滞在制作中でした。)とは一緒に撮影。楽しい時間はあっという間に過ぎ、外での撮影は終了です。
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今回使ったアフガンボックスカメラは講師のお二人のお手製、いわゆるDIYです。箱の中は完全な暗室でなくてはならないためか、難関に次ぐ難関だったとか。そもそも起源となるアフガニンスタンの人々は完成形、つまり設計図の無いところから作り上げました。彼らがどれほどの知恵を振り絞ってこの箱を完成させようとしたのかを想像すると、人間の知恵の素晴らしさに興奮してしまいます。そして講師のBackyard Projectのお二人がこの箱を完成させようとどれだけ四苦八苦したのか…そして完成したときに喜びを想像すると、自分でも作りたくなってしまいます。
このアフガンボックスカメラを使ったワークショップやその他プロジェクトは今後も様々な展開をしていくとのこと。ぜひ多くの方に参加してもらいたい。「写真」の面白さを体験していただければなあと、結構久しぶりに激推し企画でした。
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